5月6日にテルアビブから飛行機でギリシャのアテネに飛んだ。
1月8日にベルリンを出てエジプトに来て以来、中東を4ヶ月も(ドイツの前に旅したイランを数えると5ヶ月)旅していた。セクハラされたりチャイナハラスメントを受けたり、色々腹が立つことが多いけれど、それよりも人の優しさや懐の深さに魅了されてこんなに長い滞在となってしまった。古代の遺跡も多く、砂漠などの荒っぽい自然が大好きな私には中東は素晴らしい旅先だった。またすぐ戻ってきてしまいそうだ。
空港からバスでアテネの街に着くと、都会の町並みに感激した。他のヨーロッパの街のような重厚な雰囲気の建物とは違い、白を基調とした直線建築の建物がたくさん建っていた。多分60年代や70年代に建てられた物が多いのだと思う。ちょっとレトロな感じが気に入った。(なのにまた写真を撮り忘れてしまった)また客引きや人の目線を気にすることなく自由に通りを歩けることや、交通マナーが守られていて排気ガスやクラクションに苛まれず歩けること、信号があること、そんな当たり前のことがなんだかとても嬉しくて涙が出そうになってしまった。こんなにも都会の、というより先進国の自由が恋しかったなんて。中東の旅は意外ときつかったのかもしれない。
着いた日は穴が開いた服を新調すべくファストファッションの服屋に向かい、買い物に耽った。バックパッカーといえど同じ服を9ヶ月も着ていると大分くたびれて見えるし、新しい服を着て気持ちを持ち上げることも大切だと思い1着2500円くらいの服を4着も買った。普段一食200円ぐらいで済ませている自分としては大散財である。また、パレスチナで会ったあゆみさんに保湿と日焼け止めの大切さを教わったので、新しい日焼け止めと化粧水を買った。四ヶ月ぶりに顔に化粧水をつけてみると肌が泣いて喜んでいるようで、これからは無くなってもしっかり買おうと反省した。旅をしていると面倒くさくてつい化粧品など使わずに済ませてしまうくせがあるが、今後のしみなどを考えると手を抜くことは得策ではない。
アテネの一番安いホステルは一泊1500円で、飛び込みで入ったものの明日からは満室だと言われた。行くあてがなくて困っていると翌日カウチサーフィンから1件のメッセージが届いた。何日か前にカウチサーフィンのアテネ掲示板に「誰か泊めて下さい」と書いておいたら、それを見た人からの連絡だった。ミハリスというその男の人はアテネの中心街で花屋を経営しているというので、直接行ってみた。東京でいうと銀座のような一等地に店を構えたミハリスは35歳で、花とオートバイが大好きな明るい男性だった。お茶を飲んで話したあと今日泊まらせてもらえませんか、というと快く了承してくれたので彼が店じまいするまで一人で観光に出掛けた。
ミハリスがアクロポリスは外からでも十分見えるというので、チケットを買わずに外から見学した。
アテネのH&Mはとっても洒落ている。
ギリシャの教会。
夜はミハリスの友達のマロと一緒に飲みに出掛けた。といっても私はパレスチナでの反省をふまえてジュースにした。ギリシャ人の食生活は日本とは全く違っていて彼らは主に一日2食しか食べない。朝は濃いギリシャコーヒー(トルココーヒーと同じ)を一杯飲み、昼がメインの食事でだいたい2時か3時くらいに食べる。量としては日本の夕飯ぐらい。夜は9時から11時くらいにサラダなど軽いものを少しだけ食べる。夜は食べない人もたくさんいる。だから友達と飲みに行くといっても本当に飲み物だけで日本のように夕飯を兼ねたりおつまみを食べたりしない。日本の風習に慣れている自分としてはちょっと寂しい感じもする。たくさんおしゃべりして12時くらいにお開きとなった。
翌朝は7時くらいに起きてミハリスの花屋の仕入れで花市場に行った。
親切で粋なおじさんが私に花をプレゼントしてくれた。
花市場から帰る途中のおばあちゃん。
その日はミハリスの仕事がひけてからアテネのビーチに行った。あまり知られていないけど、アテネの中心街から海まで車で10分くらい。地下鉄だと20分くらい。とても近くて、ギリシャ人は汚いというけれど私からするとすごく綺麗なビーチが広がっている。というか、このレベルで汚いということはつまり私の地元神奈川のビーチなんて汚水扱いだろうか。
着いて真っ先に海に飛び込んだが、まるで氷河期のように冷たくすぐにあがってきた。私たちが日光浴しているすぐ隣に、ギリシャ人の家族に連れられた日本人の男の子(5歳ぐらい、多分駐在員の家族)がいてその行儀のよさに改めて海外と日本の躾の違いを感じた。でも利口過ぎて子供らしくないと、海外ではかえって苦労するんじゃないかと余計なことも考えた。
海から戻ってくると、ベーコンのスパゲッティを作って食べた。実は私がギリシャに来た一番の目的は豚肉を食べること。4ヶ月間中東にいて全く豚肉を食べることが出来なかった。本当はイスラエルからトルコに直接飛ぶ予定だったけど、トルコもイスラムの国だし、そのあと旅する予定である中央アジア、ネパール、インドも豚肉を食べない国々なので年内にもうベーコンが食べられないかもしれないと危機感を感じて急遽ギリシャに来たのであった。久しぶりに食べたベーコンはやっぱり何物にも代え難い美味しさだった。
そんなこんなでアテネでの3日間はろくに観光もせずに久しぶりの都会生活を満喫して終わっていった。
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