イランに行ってしまった人がアメリカビザを取得する方法

皆さんお久しぶりです。ずっと日本語版をアップしていなくてすみません。英語版のほうはたまに更新しています。時々、翻訳ロボット使ってるのか聞かれますが全部自力です。旅行していると意外と忙しいので2ヶ国語でブログを書くという試みは断念しました。(だって日本語バージョンは閲覧数が多い割には反応がないんだもん!)

前回のブログで書いたグルジア(2015年7月)のあとどうしていたかというと、またトルコへ戻ってから中央アジアへ飛び、キルギス・タジキスタン・カザフスタン・ウズベキスタンを旅してからインドへ飛び、スリランカ・モルジブ・ネパールを周ってから中国へ飛び、そこから船で日本に一時帰国して(2016年6月)アメリカ経由で南米に向かった次第です。今はコロンビアに滞在中です。

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実は一時帰国の大きな理由となったのがアメリカビザの取得です。

今回の旅で一番思い出深かった国の一つがイラン(2014年11月滞在)なんですが、実はこの国へ渡航したからという理由で(他にスーダン、アフガニスタン、シリア、イラクなども対象)今までESTAだけで入国できていたアメリカにビザがないと入れなくなってしまいました。今まで何度も入国していたのに、イランに行ったからという理由でテロリスト扱いされるのは全く納得いきません。しかし、そんな乱暴な判断をしてしまうのがアメリカという国。

他にも私と同じような方がたくさんいると思いますが、ネットに情報がほとんど載ってないのでこれを機会に書いておきます。誰かの役に立つといいです。

ちなみにこのシステムは2016年2月から急に始まったものです。いくらテロ予防といえ、ほんの数時間のトランジットでもビザが必要になるというのは不便ですね。しかもこのビザ日本円にして17600円(2016年6月14日現在)もします。貧乏旅行には痛い出費ですが、良いところは10年有効なところ。パスポートを更新しても使えます。ちなみにたとえ審査に落ちたとしてもビザ代は帰ってこないそうです。理不尽!

フォームの入力について

今回の目的は観光ビザ(B1/B2)の取得です。

まずやることはアメリカ大使館のウェブサイトにアクセスして、DS-160というフォームを入力します。これがなかなか長く、細かくて大変です。アメリカ大使館作成のビデオがyoutubeにあがっていますから、それを見ながら作成するのをおすすめします。https://www.youtube.com/watch?v=S_mhZjpPnuY

私の場合は子供時代何年かアメリカに住んでいたので、昔のビザ情報や渡航の日付を入力しなければなりませんでした。パスポートがなかなか見つからず本当に苦労しました。後で気づいたことですが、パスポートを無くした人はだいたいの日付で大丈夫なようです。(ビザ番号は空欄でいいのかな?)

 

身元保証人と写真について

面倒くさいなと思うのはアメリカで身分証明してくれる家族や友達の情報を入力しないといけないところ。住所はもちろん、電話番号やメールアドレスも必須です。(しかし!居なかったら居ないでも構わないらしい。)

それからビザに使う写真のアップロードをウェブ上で行う必要があります。写真のサイズや画素数については明確な決まりがあり、それに従って画像をアップしないといけないんですけど、ちょっとでも基準から外れていると「基準が正しくないのでアップロードできません」っていうメッセージが何回も出てきます。でも諦めて次の画面に行くと、それが出来ない人は面接当日に5cm×5cmの背景白の証明写真を1枚持ってこいという表示が出ます。それなら先に言えばいいのに、とにかく不親切なのがアメリカ大使館のフォームです。これはもちろんスピード写真でも問題ないです。(背景の色に注意!真っ白じゃないと受け付けてもらえません)

 

ビザ代金の振込と面接予約について

DS-160が完成したら、次はビザ代金の払い込みをします。選択肢はクレジットカード、ネットバンキング、コンビニ振込みなどいくつかありますが、コンビニ振込みだと確認に数時間かかるようですので急いでいる方はクレジットカードがいいと思います。(1分で確認取れます)

その後は面接の申し込みをします。私の場合は最短の日程が土日を挟んで6日後でしたので、余裕を持って申し込みすることをおすすめします。

 

緊急面接について

私が中国から帰国したのが6月6日で、昔のパスポートや写真など準備して実際フォームを送信できたのは6月8日でした。アメリカへの渡航予定日は6月29日。大使館のウェブサイトによるとビザ発行には通常2週間ほどかかると書いてあります。これじゃ間に合わない!と思った私は大使館の人に相談して「緊急面接」を申し込むことにしました。

この緊急面接とは渡航日が迫っている人の他に、家族などが他界してお葬式に行く人などが面接の日程を繰り上げられるシステム。一度通常の面接予約を入れたあと、再度画面を開いてみると左のツールバーに「緊急面接の申し込み」が表示されます。自分のメールアドレスを入力し、何故急いでいるのかという理由を書いた緊急面接のリクエストを英文で書きます。Eチケットなど、その証拠を裏付ける書類も任意で添付できます。しかし翌日メールを開くとリクエスト却下の返信が!特に緊急ではないと判断されてしまったようです。仕方なく6日後まで待つことにしました。

 

他国のアメリカ大使館からの申し込み

私がアメリカを経由して南米に行くチケットを取ったのは3月中旬、インドにいた時でした。そこで東京に帰って手続きするのは面倒なので、インドの次の目的地であったネパールのカトマンズにあるアメリカ大使館でビザ申請ができないかと思いメールを送ってみました。すると、自分と関連性のある国でしか申し込みできないとの返事が。例えば私がネパールに住んでいたり、留学している場合はできるようなのですが(確かでないです)、旅行で通りすがりなどの場合はできないそうです。不便ですね。ちなみにその次の中国でも申請を試みましたが、時間があまりなく、難しそうだったのでやめました。

 

面接の持ち物

面接の持ち物はとても細かく指定されていて、私物はほとんど持ち込み不可です。持ち込み不可のものを持ってくると出直さないといけないので、私はそれを恐れて必要書類だけ入ったクリアファイルを手に持ち、他のものはお財布も携帯も含めて全部駅のコインロッカーに預けました。他の申請者たちも同じ考えで来ているので最寄り駅である溜池山王の13番出口付近にあるコインロッカーは満杯でした。仕方なく駅の反対側にあるコインロッカーまで走り、そこに預けましたが、そこも数個しか開いていませんでした。なるべく自分の乗換駅などのロッカーを利用したほうが安全そうです。

並んでいる時(大使館前の列には常時100人くらいの申請者が並んでいます)、7,8人くらいの方が余計なものを持ってきたのを理由に入場却下されコインロッカーまで走って戻っていました。不思議なのは手提げスタイルのかばんは持ち込み可なのに、リュックスタイルは持ち込み不可だったことです。基準が分かりませんね。これはその場で捨てれば問題にならないんですが、おにぎり、パン、お弁当、お菓子、ペットボトル、水筒なども一切不可でした。飴の缶まで没収されていました。間違えて持ってきてしまった人は外の列に並んでいる間(30-40分くらい)に食べてしまいましょう。

 

面接について

セキュリティチェックを3回通ったあと番号札をもらい、中に入ります。中には10個の防弾ガラスで仕切られたブースがあってそれぞれの中に係員や面接官が立っています。

まず1番の窓口で書類を提出し、自分の番号を待ってから2,3,4番の窓口で指紋採取します。ここまで来るのに既に1時間近く待たされているのに、何故か番号はまったくの順不同で呼ばれることに納得がいきません。中にはたくさんのベンチ、乳幼児向けスペース、証明写真の機械(1回千円)、水のサーバー、自動販売機、トイレなどがあります。

更に40分以上待って、やっと指紋採取に呼ばれたあと面接の列(5-10番窓口)に並びます。私のような旅行者の他に留学予定者、移住者、単身赴任者、その子供など大勢の人が来ています。面接自体はとても短くて3分以下で終わりました。

とても感じの悪いアメリカ人面接官で態度が横暴でしたが、私の子供時代のパスポートをチェックしいくつか質問したあとその場で「君のビザは発行された。一週間後に自宅に郵送する」と言われました。そんなに簡単に発行されると思っていなかったので驚きです。

面接中「君は無職なのに、誰が長期旅行の費用を出しているのか」聞かれ、「もちろん自分です、念のため残高証明書も持ってきました」と言って提出したクリアファイルの書類を見てもらおうと思ったら、「防弾ガラスの中に手を入れるな」と怒られてしまい、見せることができませんでした。それでも一応許可がおりました。

帰り際バラバラに返却された補足書類をまとめようと、記入台に広げたところ30秒もしない間に係員の日本人女性がやってきて「面接がお済みでしたらすみやかにお帰り下さい」ときつい表情で注意されました。それだけ警備やら厳しくしないといけないのでしょうけど、電話での最悪な対応も含めて出切る事なら二度とお世話になりたくないのがアメリカ大使館です。

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おかげさまで入国できました

おわり

さて、参考になったでしょうか。ざっと書いたので間違えもあるかもしれませんし(あったらお知らせ下さい)、個人の体験ですので他の人の場合は分かりません。あくまで参考程度にお読み下さい。それでは皆さんのビザ申請がうまくいくことを祈っています。