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旅立ちから一年:ようやく戻ってきた、なじみのある顔の国々へ

皆さんお元気ですか。

遅くなりましたが、8月11日は旅立ってから丁度1年が経った日でした。何とも月日の経つのが早いこと。私は8月10日に2ヶ月強滞在したトルコを離れて、中央アジアの一国キルギスの首都ビシュケクまで飛んできました。今丁度時計を見てみたら、日本との時差も一気に3時間まで縮まっていました。

キルギスは旧ソ連から1991年に独立した新しい国で、街中では私たち日本人と同じモンゴル系の顔だちをした人や、ロシア系の白人の人や、その混血のとてもエキゾチックな顔立ちの人などがたくさん歩いています。去年8月にこの旅の最初の国となるモンゴルを旅行してからは、1年間ずっとロシア、ヨーロッパ、中東、コーカサスなど旅してきてずっとアジアの国から遠のいていたのでようやく自分のホームに戻ってきたような気持ちです。街を歩いていても中東・トルコのように街中の視線を集めることなく、完全に景色になじむことができて何とも言い表せない安心感に包まれています。今までアジア人であるということでたくさん苦労した経験があるので尚更。

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この1年は私の28年の人生の中で最も刺激的で冒険に溢れた1年でした。東京の会社で働いていた時には想像もできなかったような人たちとの出会いが毎日あって、知らなかった国の美しい景色を見て、見たこともない食べ物をたくさん食べる。この1年間で私自身が人間として成長したかと聞かれれば分かりませんが、確実にたくましくなりました。過去12年間ひどい不眠症で苦しんでいましたが、今ではバス停のベンチでも空港の片隅でもどこへでも寝袋を敷いて眠ることができます。

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また、旅をするということは美しい景色を見て、優しい人たちと出会うことだけではなく、ひどい現実を知り、色々なトラブルに立ち向かうことだと思います。一年間、一人で都会や辺境を渡り歩いてきて「この人は信頼できるのか、できないのか」という判断力や洞察力、「この場合どうやって立ち回ればトラブルを回避できるのか」という考察力を磨くことも出来ました。

そして何よりも世界を見ることができたこと。世界には色々な考えの人がいて、みんな自由に自分の思い通りに生きているということを知れたことは私にとって大きな発見でした。日本のように社会の枠に当てはまらなくても良いんだということ。誰かに認められるための人生じゃなくて、自分が良いと思える人生を歩めば良いのだ、ということ。そんなこと今まで何度も本で読んで、人から聞いていたことですがようやく実感として受け止めることができるようになりました。

ビシュケクのカウチサーフィンホスト宅ではそんな考えをさらに裏付けてくれる素敵な旅人たちとの出会いがありました。ホスト宅で私を迎えてくれたのは、イタリア人のクリスティアナ。彼女は何と61歳で過去17年間旅をしているのだそう。旅先でもお洒落を忘れず、いつも綺麗な洋服を着て私が着いたときにはペディキュアをするために足の爪を磨いていました。「私も最初の頃はどうでもいいようなボロを着て旅していたのよ。でも家にある洋服を見て『これいつ着るの』って思ってからは自分の好きな格好で旅しているの。それにお洒落していると地元の人たちにも喜んでもらえるしね。みんな優しくしてくれるのよ」とのこと。

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そんなクリスティアナは何と60歳の誕生日の記念にイタリアのトリエステにある自宅から、中央アジアのカザフスタンまで「ずっとやってみたかった」バイク旅をすることにしたそう。残念ながらアゼルバイジャンのバクーで事故にあって腕を骨折してからは、バイク旅を諦めてバスやヒッチハイクに切り替えたそうですが、それでもイタリアからアゼルバイジャンまでは4000キロ。只者ではありません。彼女のその話を聞いた瞬間、私の中に頭の中に電流が走り「あ、いくつになっても遅すぎることなんて何にも無いんだ」と思いました。「そんなことないわよ。もっと早く始めておけば良かったと思ってるわ」と謙遜するクリスティアナの隣で、何かとっても大事なことをこの旅一年の記念に教えてもらったような気がします。

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そして同じホスト宅に滞在していたベルギー人のジェローム。彼は今年25歳で大学を卒業してすぐユーラシア大陸横断の自転車旅に出ました。自転車もバイカー御用達の高性能なバイクではなく、白いママチャリのような華奢な自転車で今まで9000キロを旅してきたそうです。ベルギーを出てから8月で5ヶ月。ドイツ、イタリア、グルジアそれぞれの国で怪我や事故にあってきたものの、ひき逃げした相手を追うことなく、病院に行くこともなく、ただひたすら自分の決めた道を前に向かって進むという、強い精神力を持ったバイカーです。彼の誰も攻めることなく、潔よくあきらめて、自分の道を貫くという姿勢から学ばせてもらうことは多いです。

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私のホストは自宅以外にも、自分が経営する中古車販売のガレージにもカウチサーファーを泊めています。廃屋みたいなガレージでスイカをかじっていたのはアメリカ人のコリーとマシュー。二人とも27歳で、8歳の頃から幼馴染だそうです。上海からイスタンブールまで5ヶ月の旅をしているそう。

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コリーは旅の資金を稼ぐために、マクラメという紐を使ったアクセサリーを作っては売り、キルギスでは2つの街で工芸品フェアに招かれて日本円にして15万円以上を売り上げたのだそう。平均月収2万円強のキルギスにおいては超大金です。「シルクロードを貿易しながら旅できるなんて、思っても見なかった体験さ」と興奮して話してくれました。二人とも地元に馴染む努力をよくしていて、流暢なロシア語を操り、地元民にウォッカに招かれると必ず参加し、脂っこい食事も残さず全部食べて誰からも好かれる人気者です。他のアメリカ人旅行者と一線を画すだけではなく、その知性と行動力は今まで出会ったバックパッカーの中でも特に気骨があるなと感心した二人です。

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そしてそんな私たち全員のホストであるジャハンギル。彼は40歳のインド系シンガポール人でビシュケクで日本車の中古販売をしています。世界各地にわたってあらゆる商売をしてきた彼は、英語・タミル語・中国語・マレー語・日本語・ロシア語をあやつる敏腕ビジネスマン。ジャハンギルはいつも明るく、ラップ歌手のように皆のことを「ブロ(兄弟)」と呼び、楽しい冗談を言って周りを笑わせてばかりいます。

日本の富山と愛知に5年間住んでいた経験から、日本人は社畜として会社のいいように使われるのはもう辞めて、もっと広く世界に目を向けて自分で起業したらどうだと言います。ほとんどの日本人が学校で6年以上勉強しても英語が話せず、また会社に勤める人生しか知らず、周りの大人も企業なんてやめておけという中で、ジャハンギルの言うようになるのは難しいと思いますが、彼の言っていることは本当に最もなことで日本人は生い立ちや教育から何から会社にとって利用しやすいように育てられているんだなということを感じました。

世界各地で起業してきたジャハンギルの苦労や努力の話は聞いていて本当に立派だと思います。失敗を恐れずに、失敗してもまた立ち上がる。彼から学ばせてもらうことも多いです。

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ヤギを解体してインドカレーを作っているところ
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左から: ベトナムのヴィッキー、クリスティアナ、ジェローム、ジャハンギルと中国のジョンと一緒に

一年が経った今、旅をすることにもすっかり慣れてストレスや疲れを感じることも少なくなりました。この新しい生活が板についてきたのだと思います。中央アジアという新しい地域に足を踏み入れたことによる高揚感に包まれています。日本に残してきた古い生活に今、何の未練もありません。素晴らしい旅仲間に囲まれて新しいスタートを切れたことから二年目は一年目よりももっと刺激的な冒険が待っていると信じています。

一年目を支えてくれた皆さん、どうも有難う。色々な人の助けが無ければここまでやってこれませんでした。

ビシュケクより愛をこめて。

さとみ

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